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『ちきゅうとうなん』のさくしゃのことば

『地球盗難』の作者の言葉

海野 十三

「地球盗難」1937(昭和12)年4月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,196 字 · 11 页

青空文庫

と変えた次第であるが、今から考えるとまことに相済まぬことをしたと思う。

さて最後に据えてある『地球盗難』は、昭和十一年「ラヂオ科学」誌上に連載された科学小説であって、僕の書いたものでは最長篇であり、且つは最近の作である。それは宇宙の神秘を取扱ったり、妙な生物が他の遊星から飛来することなどは『崩れる鬼影』にちょっと似ているが、作者の覘ったところはその題名に示す『地球盗難』なる不可思議なる四文字に籠っているのであって、自分としても相当苦労をした作品であるが、尚、これを書き上げるについて、柴田寛氏の激励と、友人千田実画伯こと西山千君の卓越した科学小説挿絵と、原稿催促に千万の苦労を懸けた林誠君の辛抱強さとがなかりせば、到底完成しなかったであろう。本書上梓に当って篤くお礼を申上げたい。

さて、これから僕は、いよいよ腰を据えて科学小説を書くつもりである。ではどんなものを書くか。その答はここには書かないで、小説の形にした上で諸君に答えようと思う。

科学小説を大いに隆盛にしたい。僕一人の力だけでは到底どうなるわけのものではない。有力にして天分有る隠れたる作家が多数現われ、そこに科学小説壇というものを作り、お互いに研究し合い、刺戟し合いしてこそ、始めて意義あり且つ甚大なる発展が期待されるのである。