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こうふ

坑夫

夏目 漱石

深更半夜一个人走在松树林里,又累又困还没钱,突然茶店老板回头冲你一笑……这到底是要去哪?前方有啥在等着?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 页

青空文庫

出たら坑夫に聞くとしよう。こう決心をして、東西南北の判然しない所を好い加減に迷ついていた。非常に気が急いて息が切れたが、めちゃめちゃに歩いたために足の冷たいのだけは癒った。しかしなかなか出られない。何だか同じ路を往ったり来たりするような案排で、あんまり、もどかしものだから、壁へ頭をぶつけて割っちまいたくなった。どっちを割るんだと云えば無論頭を割るんだが、幾分か壁の方も割れるだろうくらいの疳癪が起った。どうも歩けば歩くほど天井が邪魔になる、左右の壁が邪魔になる。草鞋の底で踏む段々が邪魔になる。坑総体が自分を閉じ込めて、いつまで立っても出してくれないのがもっとも邪魔になる。この邪魔ものの一局部へ頭を擲きつけて、せめて罅でも入らしてやろうと――やらないまでも時々思うのは、早く華厳の瀑へ行きたいからであった。そうこうしているうちに、向うから一人の掘子が来た。ばらの銅をスノコへ運ぶ途中と見えて例の箕を抱いてよちよちカンテラを揺りながら近づいた。この灯を見つけた時は、嬉しくって胸がどきりと飛び上がった。もう大丈夫と勇んで近寄って行くと、近寄るがものはない、向うでもこっちへ歩いて来る。