轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よるのくつ

夜の靴

横光 利一

――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 213 页

青空文庫

誰か帰る者の荷物を貸す世話をして貰いたいというのだ。そこで私たちにその荷の相談があった。その客というのは、私も知らないばかりか参右衛門も知らない。まったく知らないその男の荷として、私の荷物を送る冒険譚になって来たのだ。しかし、このような雪ぶかい中から私らが動き出すためには、こんな唐突なことでもない限り容易に腰は上りそうもない。先ずその客という人間にひと眼あい、私は人相で決めたいのだが、荷を積み込む日は後三日の中だという。

しかし、私にはまた妙な癖があって、人の運命というものは人から動いて来るものだと思えないところがいつもあるのだ。もう、そろそろ帰らねばならぬときだと思っているときに、まったく偶然こんな好都合な話が持ち上って来たということは、人よりもその機縁の方を信じる癖で、私はもう客の人相よりそれ以前の事の起りの方に重きを置いて考えている。これは、ひょっとすると荷を動かしてしまいそうだという気がする。何ものにも捉われぬ判断力というものは有り得るものかどうか。私は自分の癖に捉われている。これは生理作用だ。

「その薪買いの客という男を、お前は見たのか。