轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
「大阪日日新聞」1947(昭和22)年5月24日~8月9日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,871 字 · 134 页
どちらも、びっくりしたように、眼が飛び出している。
兄弟かも知れない。
豹吉はふと腕時計を見た。十時十分前だ。
「まだ十分ある」
豹吉は二人の少年の方へ寄って行くと、
「――お前磨け!」
小さい方へ靴を出した。
大きい方の少年はあぶれた顔であった。
片一方磨き終ると、豹吉は、
「それでええ」
「まだ片足すんどらへんがな」
「かめへん」
と、金を渡すと、豹吉はこんどは大きい方の少年の方へ、
「こっちの足はお前磨け」
「…………」
「心配するな。金は両足分払ったる」
「オー・ケー」
いそいそと磨き出した。
通り掛った巡査がじろりと豹吉の顔を見て行った。
豹吉はふと、香里の一家みな殺しの犯人が靴を磨いているところを、捕まった――という話を想い出した。
磨き終って、金を払った途端、豹吉はまたもや奇妙なことを思いついた。
豹吉はペッと唾をはいた。
が、べつに不機嫌だというわけではない。
むしろ機嫌のよい証拠には、両の頬に憎いほど魅力のあるえくぼが、ふっと泛んでいる。
だしぬけに泛んだ思いつきの甘さに自らしびれていたのだ。
「おい、お前ら珈琲飲み度うないか」
豹吉は靴磨きの兄弟に言った。