轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よなきてっこつ

夜泣き鉄骨

海野 十三

「新青年」1932(昭和7)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,273 字 · 31 页

青空文庫

「スウィッチなんか、明日にしろ」

「ところが生憎、工場で至急使うことになったんで、直ぐ持って行かないと困るんでして、実にその……」

「よォし、いま入口を開けるから、ちょっと待て」

暫くして、わしは、入口の扉を、サッと開けた。

「どうも相済みません」栗原は、わしの顔を見るなり、ペコリと頭を下げた。

「お前、この間、そう云ったじゃねえか。このスウィッチは、当分不用だから、いつまでもお使いなさい、とな」

「申訳がありませんです」栗原は、ひどく恐縮している態で、ペコペコ頭を下げた。「組長さんは、スウィッチの図面を書きたいから御持ちになるというので、そんな簡単な御用ならと、栗原は帳簿に書かないで、御貸ししたんです。ところが、今急に、拡張工事係の方から、在庫になっている乙型スウィッチは全部数を揃えて出せという命令なんで。どうも已むを得ず、ソノ……」

「文句はいいや。さア、早く持ってゆけ」

わしは、抱えていた乙型スウィッチを、彼の前に、さしだした。

乙型スウィッチというのは、長さ一尺五寸、幅七寸の、細長い木箱に収められた大きなスウィッチで、硝子蓋を開くと、大理石の底盤の上に幅の広い銅リボンでできた電気断続用の刃がテカテカ光り、エボナイト製の、しっかりした把手がついていた。