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ゆめ

夢

芥川 竜之介

重度失眠的画家,连做梦都色彩鲜明。和友人走进一家小咖啡馆,吃完碗里的东西才发现,碗底居然藏着一条蛇头——现实和梦境,哪个更诡异?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,412 字 · 13 页

青空文庫

わたしはすっかり疲れていた。肩や頸の凝るのは勿論、不眠症もかなり甚しかった。のみならず偶々眠ったと思うと、いろいろの夢を見勝ちだった。いつか誰かは「色彩のある夢は不健全な証拠だ」と話していた。が、わたしの見る夢は画家と云う職業も手伝うのか、大抵色彩のないことはなかった。わたしはある友だちと一しょにある場末のカッフェらしい硝子戸の中へはいって行った。そのまた埃じみた硝子戸の外はちょうど柳の新芽をふいた汽車の踏み切りになっていた。わたしたちは隅のテエブルに坐り、何か椀に入れた料理を食った。が、食ってしまって見ると、椀の底に残っているのは一寸ほどの蛇の頭だった。――そんな夢も色彩ははっきりしていた。

わたしの下宿は寒さの厳しい東京のある郊外にあった。わたしは憂鬱になって来ると、下宿の裏から土手の上にあがり、省線電車の線路を見おろしたりした。線路は油や金錆に染った砂利の上に何本も光っていた。それから向うの土手の上には何か椎らしい木が一本斜めに枝を伸ばしていた。それは憂鬱そのものと言っても、少しも差し支えない景色だった。しかし銀座や浅草よりもわたしの心もちにぴったりしていた。