轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆめ

夢

和辻 哲郎

「新潮」1952(昭和27)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,436 字 · 25 页

青空文庫

もっともこの二人の顔は写真で見ただけである。肉づきの工合やふてぶてしい感じは徳田に似ていたが、鼻の下の髯や無愛想な表情は広川そっくりであった。ところで寺を改造した事務所の空気は、どうも十年前の大政翼賛会と同じであったように思う。和尚さんの下にそういう若者たちが集まっていて、それがこの村の政治を握っている。そうしてみんながいやに威張っている。そういうことを覚めているわたくしはかつて想像して見たこともない。仏教や寺や僧侶たちが新しい活気を帯び、指導的な役目にのり出してくるであろうということは、今の情勢ではちょっと考えにくい。しかるに夢の中の和尚さんは、十年前の軍人のように威圧力を持っていて、若者たちを手足のように動かしていた。これがどうも不思議である。

この和尚さんも若者たちも、大会の権威の前には恭順の意を表したのであるから、大会そのものも大政翼賛会のようなものであったかというと、それはそうでなかったようである。大会はもっと進歩的で、国際的で、思い切った革新的なプログラムを発表するはずであった。ところがそのプログラムの内容が一向明らかでない。最後の場で演説の草稿を一瞥したとき、わたくしは、あゝあれかと思った。