轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
24 流転の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页
今しも松本平方面へ行商に出かけて、故郷へ帰るのか、そうでなければ伊奈方面へ足を入れる途中と見える。
その以前、机竜之助は駿河から甲州路への徳間峠で、計らずもこの山の娘たちに救われたことがある。仏頂寺と、丸山は、この山の娘たちの縦列とこんがらかって、やがていのじヶ原へすり抜けました。すり抜けた時に仏頂寺弥助が、
「どうかすると、あんなのの中に素敵なのがいる」
といいますと、丸山勇仙が、
「年増で一人、娘で二人ばかりたまらないのがいたよ」
「おや、宇津木がいない」
と見れば、宇津木兵馬がいない。山の娘の縦列に呑まれてしまったのか、三人打連れて来たうちの一人がいない。忘れ物でもしたように振返ると、宇津木兵馬は、ずっと後れて路の傍に、行商の女の一人としきりに話し合っているのを認めましたから、
「おや」
仏頂寺と、丸山が、狐にでも憑まれたように感じました。
「何を話しているのだろう」
暫く待っていたが、その話が存外手間が取れるので、
「すっかり話が持ててるぜ」
「様子が訝しい」
と言いました。少し嫉けるような口ぶりでもあります。
「おやおや、女共がみんな野原へ荷物を卸して休みだした、それだのに宇津木とあの女ばかりは、立ち話に夢中だ」