轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

24 流転の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页

青空文庫

軽井沢の町では、鳴りをしずめて事のなりゆきを気遣っているが、無論、たれひとり出て来ようとするものもない。

時に重しをかけられた道庵が、有らん限りの声を出して叫びました、

「べらぼう様……おれを亀の子にしやがったな、よくも道庵に重しをかけて亀の子にしやがったな、手も出さず、頭も出さず、尾も出さず、身を縮めたる亀は万年……と歌にあるのを、それではいけねえから手も出しつ、頭も出しつ、尾も出しつ、身を伸ばしたる亀は万年……とよみ直した奴がある、おれをどうしようというんだ、伸ばしたらいいのか、縮んだらいいのか……ア痛、ア痛……」

道庵は有らん限りの声でこういいながら、有らん限りの力ではねおきようとしたが、この時の力では、十四五貫の重しをはね返す力がありません。

「ア、痛ッ」

刎起きようとすると、いよいよメリ込むばかりです。

「ア、痛ッ、骨が砕ける……重てえ、卸せ、卸せ」

と苦しがって叫びました。

「ザマあ見やがれ」

裸松は鉢巻をしめ直しながら、道庵の上へ載せた重しの石へ片足を載せました。この足に力を入れれば道庵がギュウとつぶれる。

「米友……友様あ……」

ここで初めて道庵が、助けの声をあげました。