轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

38 農奴の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,484 字 · 60 页

青空文庫

伊太夫の持てるものとしての力は、その財力です。微行で旅に出たとはいえ、甲州一国を押えている力は何かにつけて物を言う。金力が時、所を超越して、権力以上に物を言う場合が大いにある。伊太夫の取り得べき手段方法としては、その有り余る金力を、有効に行使してみる側面運動のほかにはないでしょう。

しかし、いきなり小判で鼻っぱしを引っこするような真似はできない。手蔓のない、しかも焦眉の急に応ずるための財力の発動としては、その方法に、相当微細にして巧妙なるものがなければ、かえって事を仕損ずる。

伊太夫は、それを藤左に向って考えさせている。

十六

草津の辻のグロテスクな晒し者は、多くの方面にいろいろの衝動を捲き起したが、意外千万なことには、その翌朝になると、「ちょうさん」の罪人として晒された宇治山田の米友の姿は、晒し場から跡を消して、そのあとへ別に一つの「梟首」が行われました。首が晒されているのです。つまり、生きた人間を縛って曝す代りに、人間の首を切って、そうしてそれを梟にかけました。

さては――と人だかりの中に、血相を変えたものもありました。と、そのうちには、あの無言のグロテスクも、とうとう首になったか、ともかくも生きて晒されている間はまあいいとして、首を斬られて「梟首」