轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
41 椰子林の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 页
七十七
勝安房守が二条城で任官して後のこと、近藤勇と、土方歳三の二人が、慷慨淋漓として、二条城の天主台の上に立って、洛中洛外の大観を見澄ましておりましたが、やがて近藤が言うことには、
「どうだ、土方、おれに十万石を与えれば、ここにいて天下を定めてしまうが、あったら城に主がないなあ」
そうすると、土方がこれに答えて、
「あえて十万石とは言わない、五千の兵を与うれば、イヤ、五千とも望むまい、二千の精兵を与うれば、天下のことを定めて見せるがなあ」
と言って、両士は相顧みて憮然たるものがありました。
今、京中に於て、近藤勇の名は鬼の名と等しい。その実力はほぼ諸侯と等しいものがあるが、何を言うにも、二人は武州の一塊の土民の出であって、譜代があるわけではない、羽翼があるわけではない、会津を背景にして、その配下僅かに二百人足らず、やがて会津が百万石になれば、近藤も十万石だ、などとのし上げるのは、取るに足らぬ沙の上の功名話で、会津どころか、徳川宗家そのものがあぶない今日、彼等とても、百万石や十万石の夢を見ながら請負仕事をしているわけではない。近藤勇としても、功名利禄以外に、やむにやまれぬ慷慨を感じているものがあるのです。