轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

34 白雲の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 页

青空文庫

無名丸に着いて、改めてこの報告と、善後策について会議を開いてみると、駒井甚三郎もここに、七兵衛というものが、自分が想像していた以上の曲者ではないかと考え、何かほかに重大なる黒い影を持つ男ではないかと、胸に迫るものがありました。

しかし、田山白雲は事柄を、もう少し単純に考えて言いました、

「どうでしょう、あの男は、何か重大な嫌疑をかけられて、尋常では解くに由なき立場にいるらしいから、いっそ駒井氏の知辺をもって、藩の上の方へ貰い下げ運動を試み、我々の一族で、決して怪しいものでないという証明の下に、直接に当ってみては」

白雲がそう言ったけれど、駒井は立ちどころには同意しませんでした。

「それで事が解決するならば、いつでももらい下げ運動は試むるが、どうも拙者の見るところによると、あの男は、何か相当の思慮があって、我々との関係を秘して、我々の迷惑にならぬようにと苦心しているのではないか。そうでなければ捕方が彼を探索するために、当然まずこちらへ交渉がなければならないのだが、何もない。従ってこちらへ累が及んで来ない。そこはどうしても彼の好意でもあり、苦心の存するところと思うから、それをこちらから進んで明白にしてしまったんでは、彼の好意と苦心を無にした上、おたがいの迷惑と犠牲を大きくするようにならんとも限らぬ。