轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
34 白雲の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 页
遠眼鏡で委細を見ていた田山白雲は全く呆れてしまいました。いいかげん長い間お客をおっぽり出して、焦らせて置きながら、ようやく姿を見せたかと思うと、こんどはまたお客の眼の前で、素敵なロケーションをおっぱじめてしまった。船頭は舟を操ればよろしい、船頭がロケーションをして見せることはふざけ過ぎている。また、こちらに待焦れている客人は、ロケーションの余興を船頭に向って要求はしていない、船頭は早く船を出すようにしてくれればいいのだ。白雲のように最新の機械はもってはいないけれども、待ちくたびれたすべての客は、この船頭小屋から飛び出して来た三人の人影によって行なわれつつある対岸の大格闘を、ありありと肉眼で見て、またわき立ちました。
「何してやがるんだ、人をさんざん待たせて置きながら、自分たちは勝手な芝居をしていやがら、フザけた船頭だ、なぐっちまえ」
江戸ッ児なら、こんなに言うでしょう。そうかと言って、ここからでは弥次も飛ばせず、退屈まぎれに事のなりゆきを遠目に眺め渡して、むだな力瘤を入れるばかりです。
そのうちにむっくりはね起きたくだんの大男、もう立ち直ったと見ると、大変な馬力で両方からとりかかる大小二つの、たぶんこれは船頭親子であろうと見られるところの二つを、むしろ返り討の体で突き飛ばし、はね飛ばし、その暴れっぷりの