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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
34 白雲の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 页
、才の方は別としても、思いがけないほど美しい婦人だから、その用心をして――
ははあ、ほかならぬこの拙者に向って、左様、然るべき才貌兼備の婦人をたずねよとは少々キマリが悪いと、白雲はがらにもない羞恥心を少しく起しながら、とにかく、名前だけも覚えて置くことだと、更に念を押すと、栄翁が答えて、姓は高橋――名は玉蕉――家は仙台の大町というのへ行って、それと尋ねれば当らずといえども遠からず。
かくて、福島に逗留二日。
しのぶ文字摺、しのぶの里
月の輪のわたし
瀬の上
佐藤荘司が旧跡
飯坂の湯
桑折の駅
伊達の大木戸
鐙摺、白石の城
笠島の郡に入ると、実方中将の遺跡、道祖神の祠をたずねなければ、奥州路の手形が不渡りになる。
かくて、田山白雲は、仙台に入る前に笠島の道祖神の祠へ参詣の道を枉げてみると、そこで呆れ返ったものを見せつけられないわけにはゆきませんでした。
二
それは別物ではない、露骨に言ってしまえば、人間の男性の生殖器が一つ、石でこしらえた、しかも、これが図抜けて太く逞しいのが、おごそかに一基、笠島道祖神の一隅に鎮座してましますということです。従来とても、路傍や辻々に、怪しげな小さな存在物を見ないではなかったが、これはまた優れて巨大なるものであって、高さ一丈もあろうと覚しいのがおごそかに鎮座しているのですから