轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

中里介山『大菩薩峠10』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 页

青空文庫

馬も千里、牛も千里だと思いました。

そこで、兵馬は思案して、今度はしばらくその悠々閑々たる長持氏と行を共にし、少しく物を尋ねてみたいという気になる。

「この長持の中は、何ですか」

「これはね、八面大王の剣でございますよ」

「刀ですか」

「剣ですよ」

「ははあ……そうして、いま、馬で盛んに飛ばして行った、あれは何ですか」

「あれは八面大王ですよ」

「ははあ……」

兵馬は、それがわかったような、わからないような心持で、

「八面大王というのは、いったい、何の神様ですか」

「左様……」

悠々閑々たる仕丁は、そこで兵馬のために、八面大王の性質を物語りはじめました。こういう場合には、その悠々閑々の方が、話すにも、聞くにも、都合がよい。

八面大王のいわれはこうです――

桓武天皇の御代、巍石鬼という鬼が有明山に登って、その山腹なる中房山に温泉の湧くのを発見し、ここぞ究竟のすみかと、多くの手下を集めて、自ら八面大王と称し、飛行自在の魔力を以て遠近を横行し、財を奪い、女を掠め、人を悩ました。

坂上田村麿が勅命を蒙って、百方苦戦の末、観音の夢のお告げで、山雉の羽の征矢を得て、遂に八面大王を亡ぼした。