轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

中里介山『大菩薩峠11』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 页

青空文庫

どちらにしても、会わせないがよい、会わないがよい、というお雪の心づかいは、聡明でした。

しかるに、この聡明なお雪の心づくしを知るや知らずや、その宵に至ると、例の座敷で、竹調べがはじまり、ついで「鈴慕」の響きが起りました。

お雪は、それを聞くと、今晩はあらずもがなだと思いました。

せめて、あの笛の音が、今いう新来の客人たち、つまり、さいぜんの若い旅のさむらいの人と、それから、どう考えても気味の悪い二人連れの壮士とにだけは、あの笛の音を気取らせたくないという心が無性にお雪の胸にのぼります。あの笛の音、そこから自分の心づくしがふいになるようではたまらぬ。

お雪は、その尺八の音に気を揉みましたけれど、尺八の音は、お雪の苦心に頓着なく、冷々亮々として響き渡ります。

影は隠せば隠せるが、音というものは、隠して隠すわけにはゆかないらしい。

その尺八の音を聞いた時に、あちらの室にいた仏頂寺弥助が、耳を蔽うて畳の上に突ッ伏しました。

「忌だ、忌だ、おれは、あの尺八の音というやつが忌だ」

それを、丸山勇仙が笑止がって、

「性に合わないのだろう、君は、風流というものに縁無き衆生だ」