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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

中里介山『大菩薩峠11』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 页

青空文庫

「こっちの方の枝の盛んなやつは白雲梅」

「そら、こっちの方に低く這っているのが幽石梅だ」

「向うの谷間にあるのが聯渓梅」

「低く地についているやつが泣露梅」

「そら、これが吟風梅だ」

「その畔道に小さくなっているのが迷径梅」

「それ践草梅」

「それ胆雲梅」

「そっちのは歌聖梅」

「あの一本立ちは無人梅」

「池の傍のは沃魚梅」

「ははあ、鳥がとまっているな、そこで鷦鷯梅だ」

「その枝のよく伸したやつが安身梅」

「それは姿がいいから白鶴梅」

「亦楽梅」

「長条梅」

「馬屋梅」

「孤影梅」

「玉堂梅」

「飛雲梅」

「金籠梅」

「珠簾梅」

「娟女梅」

「東明梅」

「西暗梅」

一木を得るに従って一名を選み、それをサラサラと木札に書いて、与八に与えて、それぞれの木に結びつけさせる。鈍重な与八が、応接に追われるほどの進行ぶり。見ていた村の持主たちまでが舌を捲いてしまったというのは、物の名をつけるのは、八兵衛、太郎兵衛でさえむずかしい、一木一草にでさえ、しかるべき雅名を与えるのは容易なことではない、おのおのの持ち分の老梅にも何とか名をつけたがったり、つけてもらおうとしたり、相当の学者に頼んでおいたりしても容易に出来ないのに、この和尚様は、一木を得るごとに一名を選むこと、数字の番号を打つことの速さと同じことだ、博学な坊さんもあったものだと驚く。