轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

中里介山『大菩薩峠16』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 页

青空文庫

三十八

「おお、松風、いいところへ」

「どうして、ここがわかったエ」

「いや、道中、ちっと聞き込んだものでごんすから、多分、丁馬親分や、安直兄いもこちらでごんしょうと、わざわざたずねて来やんした」

「よく来てくれた、一人か」

「ほかに、連れが一人ごんす」

「じゃ、こっちへ通しな」

「連れて来てようごんすか」

「遠慮は要らねえ、友達かエ」

「いや、わっしの川柳の師匠でごんす」

「おや、川柳の師匠、てめえ洒落たものを連れて歩いてやがるんだな」

「師匠は江戸ッ子でごんす」

「なに、江戸ッ子!」

「およそ大名旗本の奥向より川柳、雑俳、岡場所、地獄、極楽、夜鷹、折助の故事来歴、わしが師匠の知らねえことはねえという、江戸一の通人でごんす」

「そいつぁ、耳寄りだ」

「天から降ったか、地から湧いたか」

「丁馬親分――安直兄い、およろこびなせえ」

「何はともあれ、その江戸ッ子の大通先生を、片時も早くこの場へ……」

「合点でごんす」

暫くあって、ひょろひょろとこの場へ連れて来られた一人の通人がありました。見受けるところ年の頃は道庵とほぼ近いし、気のせいか背恰好もあれに似たところがある。