轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
中里介山『大菩薩峠19』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 页
そういう時に、お角さんの威勢に怖れて、明らかには笑ったり、そしったりしないけれども、この気色を見て取って、お角さん自身が、こいつは少し恥を掻いたかなと、なおやきもきする。人の掛合いや兼合いでは、京大阪へ出ようと、唐天竺へ出ようと、引けは取らないお角さんだが、字学の方にかけると、気が引けてどうにもならない。そこのところを埋合わせるには究竟な道庵先生である。この先生こそは江戸で名代の先生であって、酒を飲んでふざけてこそいるが、字学の出来ることは底が知れない。こういう先生を後楯に控えて行けば、ドコへ行こうと鬼に金棒だという観念がお角さんにはあるので、つまり、インテリ用心棒としての道庵先生を手放したくないのです。
おたがいに、そこのところを利用し合って、うまく立廻ろうというズルい了見なのだが、それは双方とも甲羅を経ているから、勝負に優り劣りはありますまい。
そういうわけで、道庵先生は、ここはどうしても、女親方の方の埒があくまで待つことを以て策の得たるものとする。それも、そう永い時日を要せずして埒があくに相違ないと思っているが、たとえ二日三日の間にしてからが、何か仕事をしたい、何か利用厚生の仕事にたずさわらなければ、自分の生存が徒手遊食ということになり、なおむつかしく言えば、尸位素餐ということになる。