轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

中里介山『大菩薩峠2』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 页

青空文庫

横柄な声で呼びかけた武士。振返ったところは五社明神の社前。

「おい、虚無僧、こっちへ入れ」

社前の広場に多くの武士が群っている。その中から、いま通りかかる机竜之助を呼び止めたものです。

「何か御用でござるかな」

竜之助は立ち止まって返事。

「ここへ来て一つ吹いてくれ」

「せっかくながらお気に召すようなものが吹け申すまい」

竜之助は五社明神の鳥居の中へ入って行きました。

見るとここで武術の催しがあったもの。それが済んで、庭の広場で武士たちが大勢、莚を敷いて茶を飲んでいたところでした。

「さあ、そこでまずその方の得意なものを吹いて聞かせろ」

「別に得意というてもござらぬが、覚えた伝来の一曲を」

竜之助は、吹口をしめして「鶴の巣籠」を吹きました。誰も吹く一曲、竜之助のが大してうまいというのでもありません。

「それは鶴の巣籠、何かほかに」

「ほかには何も知らぬ」

「ナニー」

「ほかに虚鈴というのがあるが、これは、おのおの方にはわかるまい」

「何を!」

「いや、駆出しの虚無僧で、そのほかには何も吹け申さぬ故、これで御免」

「ハハハ、鶴の巣籠を吹いて虚無僧で候も虫がよい、そのくらいならば我々でも吹く、何か面白いものをやれ、俗曲を一つやれ」