轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

中里介山『大菩薩峠2』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 页

青空文庫

お豊は、もう一歩も歩けないように足をとめたことが幾度、それでも早や、滝壺に近いところまで来ていました。檜笠作りの六助の口占を引いて、よく聞いておいたこと――懺悔する前には、水垢離の必要がある、護摩壇へ行く前には、御禊の池をおとずれねばならぬ。

お豊は、その通りにここまで来てみると、もうかなり勇気が出て、注連を張った木に手をおいて、中をのぞぎ込んでは四辺を見廻してみました。

人に見られてはいけぬ、人に見せるべきものではない――しかし、そんな心配はてんで無用、ここへは決して人が来ないのである。

お豊は滝の傍へ進んで、かの水が日高川へ逃げて行く弁財天の小さな祠へ来て、その前で手を合せた。それから静かに自分の締めていた帯を解きかかる。クルクルと帯を解いたが、さて、それを置くべきところがない、草の葉も木の葉も、じめじめと水気がたっぷりで、地の上にも水が滲む。お豊はちょっと当惑したが、すぐに気のついたのは、弁財天の祠の土台のところから根を張って、ほとんど樹身の三分の二を水の方へさし出した一幹の柳でありました。その柳の、ちょうど程よい枝ぶりのところへ帯をかけて……それから着物と襦袢とを一度に……脱ぎかけると、お豊は自分の肌の半身が誰もいない闇の中で、あまりに白かったのに怖れたようでありました。