轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

中里介山『大菩薩峠7』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 页

青空文庫

七兵衛は弁天様にちょっと御挨拶をしてから、その縁の下を覗き込んで手を入れて探すと、蜘蛛の巣の中から引き出したのが、一挺の小鍬であります。この鍬を片手に提げると、池のまわりを一ぺん通り、西の方へまわって、松の大樹の落々たる間へ進んで行きました。この辺、数里にわたって、見渡す限りの武蔵野であります。

七兵衛は池尻の松の大樹の林の中を鍬を提げて歩いて行き、一幹の木ぶり面白い老樹の下に立って、いきなり鍬を芝生の上へ投げ出すと、その松の根方に腰をおろしました。

そこで煙草入を取り出して、燧を切って一ぷく吸いつけると、松風の響きが鼓のように頭上に鳴り渡ります。七兵衛は、松の木立の隙間から、晴れた空をながめやり、暫くその空の色に見恍れていたようでしたが、やがて、思い出したように煙管をハタハタとはたくと、再び立ち上って、例の小鍬を無雑作に拾い上げ、いま自分が坐っていたところから二尺ほど離れた大地の上へ、軽くその鍬先を当てたものです。

七兵衛はここへ、何物かを掘り出しに来たものに相違ない――この男は改めて説明するまでもなく、極めて足の迅い奇怪な盗賊であります。一夜に五十里を飛ぶにはなんの苦もない足を持っていて、郷里の青梅宿を中心に、その数十里四方を縄張りとし、その夜のうちに数十里を走せ戻って、なにくわぬ面をして百姓をし