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たいへいようらいげきせんたい

太平洋雷撃戦隊

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,885 字 · 24 页

青空文庫

蓋を直しきらないうちに、もし先刻のような駆逐艦に見つかったら、今度こそは否応なく、撃沈されてしまいます。あれほどの大手柄をたてた艦に、なんと惨い御褒美でしょう。

だがあくまで沈勇な清川艦長は、全員を指揮して、早速修理にとりかかりました。もうこうなったら、運は天に委せるのです。委せてしまえば、かえって朗かな気持になれます。

一時間を過ぎ、もう二時間になろうというときになって、やっと出入口の鉄蓋は、間に合わせながら役に立つようになりました。大変な努力です。そして武運に恵まれたこの艦は、その間×国の艦船にも見つからずにすみました。一同の顔には、隠しきれない喜びの色が浮かびあがりました。

「やれやれ」

「お祝いに、煙草でものもう」

一同ホッとして、腰をのばしかけたその時です。

監視兵が、俄かに大声をあげました。

「艦長どの、×船が見えます。本艦の左舷二十度の方向です」

「なに×船!」艦長は直に双眼鏡をとって、海面を見渡しました。「うん、これは×国の汽船だな。これは大きい。まず、三万噸はある」

「軍需品を積んでいるようですな。甲板の上にまで積みあげています」

副長がそういっているうちに、汽船は急に進路を曲げて、こっちへ驀進して来ます。