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ふしぎなとおめがね

奇妙な遠眼鏡

香倶土 三鳥

「九州日報」1925(大正14)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,759 字 · 14 页

青空文庫

ある所にアア、サア、リイという三人の兄弟がありました。

その中で三番目のリイは一番温柔しい児でしたが、ちいさい時に眼の病気をして、片っ方の眼がつぶっていましたので、二人の兄さんはメッカチメッカチとイジメてばかりおりました。

リイは外へ遊びに行っても、ほかの子供にやっぱしメッカチメッカチと笑われますので、いつもひとりポッチであそんでいましたが、感心なことに、どんなに笑われてもちっとも憤ったことがありませんでした。

ある時、三人の兄弟はお父さんとお母さんに連れられて、山一つ向うの町のお祭りを見に行きましたが、その時お父さんが、

「今日は三人に一つずつオモチャを買ってやるから、何でもいいものを云ってみろ」

と云われました。

アアは、

「何でも狙えばきっとあたる鉄砲がいい」

と云いました。サアは、

「何でも切れる刀が欲しい」

と云いました。又リイは、

「どこでも見える遠眼鏡が欲しい」

と云いました。

これを聞いたお父さんとお母さんはお笑いになって、

「お前達の云うものはみんな六ヶしくてダメだ。それにアアのもサアのも、鉄砲だの刀だの、あぶないものばかりだ。そんなものを欲しがるものじゃない。