轻松读懂日语经典作品
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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
「女性改造」1950(昭和25)年8月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,011 字 · 94 页
その床の間には、南画風の山水の軸物に、青磁の香炉、片わきに琴が立てかけてある。長火鉢はきれいに拭きこんであり、彼女は、少し古風なと思われる髪形に、生え際凉しく高めに結いあげ、柳と燕を大きく散らした藍色の着物に、博多の一重帯をしめている。細おもての頬の肉附きが薄く、眼には強い視力がこもっていて、理智的な光りがある。細い指先で、器用にお酌をしてくれる。
「どうも……自分でやりますよ。」
長谷川はなんだか、気持ちがしっくりしなかった。
雷はまだやまず、蒼白い閃光が、薄暗い室にぱっぱっと差し込んできた。それが却って酒の肴になり、長谷川は手酌であおり、こんどは、千代乃の方にもお酌をしてやった。
「こちらに、女中さんはいないんですか。」
「一人いますけれど、あちらの方が忙しい時は、手伝いに、やりっきりにしておりますの。」
「しかし、こちらだって、別館でしょう。」
「そうなんですが……表札を御覧になりまして?」
表札には、松月別館とはしてなく、ただ三浦千代乃とだけあるのだった。
「あ、あなたの家ですか。」
「そういうことになっておりますが、実は、柿沼のものなんです。」
「柿沼……。