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じょせいのれきし

女性の歴史

宮本 百合子

文学にそって

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,758 字 · 43 页

青空文庫

この時代に新しい素質の婦人作家があらわれはじめた。今日作品を書いている佐多稲子、平林たい子、松田解子、壺井栄など。これらの婦人作家は、それまでの婦人作家とちがって、貧困も、勤労の味も、女としての波瀾も経験した人々であった。そういう人達によって、本当に社会矛盾を認識し、人間として伸びようとする女性の声が文学のなかへ現われはじめた。

プロレタリア文学運動が順調に発展していたならば、今日、日本の新しい民主主義文学というものも、よほどちがった明るさに照らされたろう。ところが日本の支配階級が、大衆の進歩性を抑圧することは実に烈しく、特に最近の十余年間は、全く軍事目的のために民衆の意志を圧殺しつづけた。プロレタリア文学というものは、結局新しい社会的発展を求めて、半封建的なブルジョア社会の矛盾と桎梏とを、否定する方向をもつから、軍事的な日本の専制支配権力が、それをうけ入れよう筈はない。人民解放のための全運動とともにプロレタリア文学も殺された。女も率直にものをいいはじめた。ほっておけば、考えも、いうことも、行動も大人になる。男につよい影響を与える女の心と言葉、動きをいまのうちにふさごう。