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じょなん
女難
国木田 独歩
「文藝界」1903(明治36)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,695 字 · 45 页
のそばに附いていたことさえござります。
それに長屋中、皆な私を可愛がってくれまして、おとなしい方だよい方だ、珍しい堅人だと褒めてくれるのでございます。ですからお俊ばかりでなくお神さんたちが頼みもせぬ用を達してくれるのでございます。ところがおかしいのはお俊がこれを焼いて、何を私がついているによけいなお世話だと、お神さんたちの目の前でいやな顔をする、それをお神さんたちはなお面白半分に私の世話を焼いたこともありました、けれども、それでもってお俊と私の仲を長屋の者が疑ぐるかというに決してそうでなく、てんで私をば木か金で作ったもののように無類の堅人だと信じていたのでございます。けれどもお俊の方はそれほどの信用はないのです。ですからお俊さんは少し怪しいが、とても物にはならぬなど、明らさまに私に向って言った山の神さえいたのでございます。
実際、お俊は怪しいと言われても仕方がありますまい。ある晩のことに私が床を延べていますと、お俊が飛んで参りまして、
『どうせ私じゃお気に入りませんよ』と言いざま布団を引ったくって自分でどんどん敷き『サア、旦那様お休みなさい、オー世話の焼ける亭主だ』