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ようかいまんだん

妖怪漫談

岡本 綺堂

「不同調」1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,116 字 · 7 页

青空文庫

などの系統が時を得て来たのである。清朝の書物はあまりに輸入されなかったが、あるいは時代の関係からか、康煕乾隆嘉慶にわたって沢山の著書があらわれているにもかかわらず、江戸時代の怪談にはかの『聊斎志異』を始めとして、『池北偶談』や『子不語』や『閲微草堂筆記』などの系統を引いているものは殆ど見られないようである。大体に於て、わが国の怪談は六朝、唐、五代、宋、金、元、明の輸入品であるといって好かろう。

そこで、いやしくも著作をするほどの人は、支那の書物も読めたであろうが、かの伝説のごときは誰が語り伝えて世に拡めたものか。交通の多い港のような土地には、支那に往来した人も住んでいたであろうし、または来舶の支那人から直接に聞かされたのもあろうが、交通の不便な山村僻地にまでも支那の怪談が行き渡って、そこに種々の伝説を作り出したということは、今から考えると不思議のようでもあるが、事実はどうにも枉げられないのである。

支那では神仙怪異の事という。しかもその神仙のうちで、仙人の話はあまり我国に行われていない。勿論、仙人という言葉もあり、またその事実も伝えられてはいるが、その類例は甚だ少い。