轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つまのざ
妻の座
壺井 栄
「新日本文学」1947(昭和22)年8月、1949(昭和24)年2月~4月、7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,695 字 · 165 页
「お母さんもよく気が立つようになったね。」
「こわいわね。脳貧血でまだよかったけれど、溢血の方だったら今ごろ中風よ。おおこわい。」
「できるだけ気を立てさせんようにしてあげようね。そしてなるべく正子がそばにいるんだね。」
それはあきらかに閑子を邪魔がっている言葉だった。ミネはふとんの中で眠ったふりをしていた。こんなに案じてくれる人が閑子にはいないのだと思うと、閑子が哀れでならなかった。閑子はひとり台所にいて、食欲のないミネのために料理をつくっているのだろうに。ミネがうまがるとほっとした顔になり、食べぬとあらわな不安をみなぎらせる閑子、ところが閑子はそれを言葉にはしない。口をついて出るのはミネの心をゆすぶる皮肉や自己卑下ばかりだった。
「どうも私は姉さんの病気のもとのような気がするの。申しわけないからどこかへゆくつもりだけれど、今は困るでしょう。病気がよくなるまで下女代りに置いてもらうことにするわ。」
くちびるをふるわせながらいったりする。どんなにかそれは悲しく、口惜しい思いだろうと、ミネもまた切なくなる。
暑さに弱いたちのミネは夏中をわずらって、ようやく起き出したのは涼風がそろそろ身にしみはじめる頃だった。