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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
のち、数年をへだてて、一九二九年(昭和四年)『女人芸術』に「放浪記」を発表して、文筆生活を開始した林芙美子のその後の過程も、日本の文学にあらわれた、進歩的な文芸理論とその運動の進展に併行して、観察される一つの現象となったのである。
七、ひろい飛沫
一九二三―一九二六(大正末期から昭和へ)
一九二三年(大正十二年)の関東大震災は、日本に特有な自然の災害であったばかりでなく、日本の社会に根ぶかい保守精神と支配権力の暴力の、おそろしい爆発の記念であった。
東京中心の大地震、それにつづく大火災という災厄のごたくさまぎれに、朝鮮人の大量虐殺と社会主義者の殺害が、警察力によって行われた。無産階級文学運動に批判者としてあらわれていた平沢計七そのほか七名の人々が、亀戸警察署で殺されその死体は荒川堤にすてられた。アナーキズムの指導者として、クロポトキンの「革命家の思い出」ロマン・ローランの「民衆芸術論」の翻訳などのあった大杉栄がその妻伊藤野枝と幼い甥の宗一と一緒に、憲兵隊につれてゆかれ甘粕憲兵大尉とその部下によって縊殺された。そして、三つの死体は古井戸に投げすてられた。