轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
森有礼の理想によって、女子の最高学府として設立された一つ橋の東京高等女学校のポスト・グラデュエート(専修科)に通っていた花圃は、そういう歌会の席でも、床の間の前に坐っていたというところに、おのずから置かれていた地位がうかがえる。それらのはなやいだ才媛たちがうち興じながら、何心なく誦した赤壁の賦に和した僅か十五歳の夏子の才走った姿も目に見えるようである。また、彼女のかくし切れない才が穂にあらわれたとりなしが若い貴婦人たちの感情へはいきなり「なんだ、生意気な女」と、つよく映ったというのも面白い。当時まだ「家来」というものを日常身辺にもって暮していた上流の若い婦人たちが自分たちが坐っている前へおすしを運んで来るような身分の軽い少女に対して、風流の間にもはっきりと身分の差別を感じていたというのは、こわいように思える。
一葉の二十五年の短い生涯を、貧窮が貫いたのは周知のとおりだけれども、この時分はまだ一葉の両親は在世であった。明治五年に、東京府庁の山下町の官舎で、樋口家の次女として生れた夏子は、六つで本郷小学校へ入学した。しかしそこはどういうわけかすぐ退学して、手習師匠のところへ通わされ、十四年に家が下谷に移ったのち、その冬から池の端の青海小学校に通学した。