轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页

青空文庫

と目笊は流へ。お蔦は立直って腰障子へ手をかけたが、溝の上に背伸をして、今度は気構えて勿体らしく酸漿をクウと鳴らすと、言合せたようにコロコロコロ。

「ね、可愛いだろう。」

カタカタカタ!

「蛙だ、蛙だ。はははは、こいつア可い。なるほど蔦ちゃんの情人かも知れねえ。」

「朧月夜の色なんだよ。」

得意らしく済ました顔は、柳に対して花やかである。

「畜生め、拝んでやれ。」

と好事に蹲込んで、溝板を取ろうとする、め組は手品の玉手箱の蓋を開ける手つきなり。

「お止しよ、遁げるから、」

と言う処へ、しとやかに、階子段を下りる音。トタンに井戸端で、ざあと鳴ったは、柳の枝に風ならず、長閑に釣瓶を覆したのである。

見知越

五

続いてドンドン粗略に下りたのは、名を主税という、当家、早瀬の主人で、直ぐに玄関に声が聞える。

「失礼、河野さんに……また……お遊びに。さようなら。……」

格子戸の音がしたのは、客が外へ出たのである。その時、お蔦の留めるのも聞かないで、溝なる連弾を見届けようと、やにわにその蓋を払っため組は、蛙の形も認めない先に、お蔦がすっと身を退いて、腰障子の蔭へ立隠れをしたので、ああ、落人でもないに気の毒だ、と思って、客はどんな人間だろうと、格子から今出た処を透かして見る。