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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页
てある。いかさまにも大吉に相違ない。
主税は、お妙の背後姿を見送って、風が染みるような懐手で、俯向き勝ちに薬師堂の方へ歩行いて来て、ここに露店の中に、三世相がひっくりかえって、これ見よ、と言わないばかりなのに目が留まって、漫に手に取って、相性の処を開けたのであった。
その英吉が、金の性、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦が美い指の節から、寅卯戌亥と繰出したものである。
半吉ででもある事か、大に吉は、主税に取って、一向に芽出度ない。勿論、いかに迷えば、と云って、三世相を気にするような男ではないけれども、自分はとにかく、先生は言うに及ばずながら、奥方はどうかすると、一白九紫を口にされる。同じ相性でも、始わるし、中程宜しからず、末覚束なしと云う縁なら、いくらか破談の方に頼みはあるが……衣食満ち満ち富貴……は弱った。
のみならず、子五人か、九人あるべしで、平家の一門、藤原一族、いよいよ天下に蔓らんずる根ざしが見えて容易でない。
すでに過日も、現に今日の午後にも、礼之進が推参に及んだ、というきっさきなり、何となく、この縁、纏まりそうで、一方ならず気に懸る。