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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
「婦人倶楽部」1929(昭和4)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,654 字 · 175 页
「あの方なら始終二つや三つ心当りがおありですよ」
「しかしその前に此方の註文を具体的に定めて置く必要がある。春子を呼んで訊いて見ようか?」
「訊いたって申しませんわ。私達で計らってやらなければ駄目でございますよ」
「それじゃ一つゆっくり相談しようか? 俺にも註文がある」
「私にもございます。春子はあゝいう我儘ものですから、姑めのあるところなんか迚も勤まりませんよ」
「それは俺も同感だ。舅もいけない。無係累ってことが俺の条件だ」
「小姑もないに越したことはありませんわ」
「無論さ。舅姑めがなければ、小姑はないに定っている」
「身軽に限りますわ。子供が出来れば直ぐに苦労をするんですから」
「次男坊が宜い」
「次男で少し分けて貰えるようなのが宜しゅうございますわ」
「そんなに慾張る必要はないよ。本人さえしっかりしていれば」
「あなた、次男でも長男に間違があれば責任がかゝって参りますわ」
「三男なら大丈夫だろう」
「下ほど安心ですわ」
と夫人は見上げた心掛だ。長男の俊一君へ来るお嫁さんは舅姑め小姑と有らゆる係累を持つことになるが、それは棚へ上げている。
「三男か四男で帝大出の秀才さ」