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こどものためにかくははたち

子供のために書く母たち

宮本 百合子

「村の月夜」にふれつつ

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,425 字 · 9 页

青空文庫

という敬語的な冠が空にいるのであろうか。空は空として芸術的にまったく美しい。そして、科学的の正しさにおいても心配はない。花は花であるからこそいきいきとして目と心を奪う花なのではないだろうか。お花といわれると私たちは仏さんのお花という連想があったり、お花のけいこにつながったり、花そのものには不用な形式的なものをつけ加えられる。子供のための文学の作者のよい感覚は、子供の感情再現の内容をつくる、そういう用語の上にも敏感、率直、清潔であらねばならない。こしらえられたいわゆる品のよさがどんなに言葉から生気を奪い、またそのことでそういう言葉が趣向にかなう一定の非大衆的な社会環境というものさえ暗示されるものである。これらのことは、「村の月夜」の作者のよく理解するところであろう。

いい言葉づかいというのは、率直、簡明でそれが抜きさしならぬ感覚につかわれることで輝く美しさであると思う。ゴーリキイが、彼の文学論の中で言葉について興味あることをいっている。「すべて言葉というものは、行為や労働から生み出されたものである。従って、言語は諸事実の骨であり、筋肉であり神経であり、皮膚である。