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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
「少年クラブ」1947(昭和22)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,497 字 · 29 页
ガソリンのエンジンや、火薬利用のロケットを使ったのでは、今まではとてもこんなすごい速度はだせないが、原子力エンジンの完成された今日では、これだけの最大速度をだすことはよういである。人間が原子力を利用することができるようになったおかげで、それまでは、全く不可能とされていた、北氷洋とインド洋をつなぐ、大運河工事もできるようになり、また、土佐沖海底都のような大土木工事が成功し、それから地球外の宇宙旅行さえどんどんやれるようになったのだ。すばらしい原子力時代ではないか。じっさい二少年は、らくな気もちで、こうして宇宙を飛んでいるのだ。
地上からはかった高度五万五千メートルあたりが、成層圏のおわりである。
そこを通りこすと、大気はいよいようすくなって、地上の大気の四千分の一ぐらいとなる。もちろん艇の中では、たえず酸素をだす一方、空気をきれいにし、炭酸ガスをとっている。艇は気密室で、空気が外にもれないようにつくってあるが、このあたりまでくると、外の大気圧が低いからどこからともなく艇内の空気が外へぬけだす。だから艇中で酸素などをたえずおぎなってやらなければならない。