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うちゅうせんぺい

宇宙尖兵

海野 十三

「新青年」1943(昭和18)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页

青空文庫

知っているか」

料理の冷えるのも気がつかない様子で、魚戸は僕の方に身体をすりよせる。

魚戸は、よほど衝撃をうけているらしい。そうなると僕は却って気が落付いてくるのを覚えた。

「たいへんな旅行だということは、初めから分っていたのじゃないかね。リーマン博士曰くさ、『非常な超冒険旅行』でござんすよと、初めに僕に断ったが、君にはそれをいわなかったのか」

「それは聞いたとも。しかし『非常な超冒険旅行』といっても、程度というものが有るよ。そうだろう。君は知っているかどうか、僕たちが今乗っているこの乗り物を一体何だと承知しているかね」

僕は、魚戸の真剣な顔付を気味悪く眺めながら、

「これは潜水艦だろう」

「ちがう」

てっきり潜水艦だと思っていたのに、魚戸は言下に否定した。今度は僕が周章てる番だった。

「じゃあ、飛行機の中か。それとも飛行艇か」

飛行機にしても飛行艇にしても、こんな大きな部屋を持っている筈はないと思うが、そうとでも訊くより外ない。

「ちがうよ」

「汽船か。いや、分った、地下戦車か」

「ばかをいえ」

「じゃあ、なんだ、この乗物は……」

僕は、咽喉に引懸ったような声を出した。