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うちゅうせんぺい

宇宙尖兵

海野 十三

「新青年」1943(昭和18)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页

青空文庫

もちろん誰も僕に賛成しないのであった。それに、もっと面白くないことは、ベラン氏夫妻が、互いに手を取り合って、意味深長な目付をしたことであった。

「僕の惨敗だ。本艇に乗組んでいる者の中で、今度の宇宙旅行について一等何も知らない者は僕だということが今初めて分った」

僕は長椅子の上に、どしんと腰を下ろした。

「おい岸、つまらんことで歎くなよ。それは最も恐ろしい神経衰弱症の入口を作るからねえ」

魚戸が傍へ来て、僕の肩を軽く叩く。

「僕のことなんか打棄っておいて呉れ。無鉄砲を嗤われる資格は充分に有るのだから……」

本年二十五歳の僕は、十五年後には四十歳になってしまう。おお四十歳。今僕の機嫌をとってくれている魚戸が今年四十歳の筈であった。

(おお、あたらわが青春を本艇の中で鋳潰してしまうのか。ああ、われはあわれな宇宙囚! 残念な……)

大警告

艇長リーマン博士に面接する機会は、それから一週間後に来た。

それまでの一週間の日を、僕たちは殆んどこの艇内の生活に慣れるために費したようなものだ。

僕の私室は十六号であった。

魚戸の部屋は、その斜向い側の十七号であった。その隣室の十八号が、宣伝長イレネ女史の寝室だった。