轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うつのさんのうた
宇都野さんの歌
寺田 寅彦
「朝の光」1923(大正12)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,743 字 · 4 页
そしてそれは余所から借りて来たものでなくて、やはり作者自身から自然に歌の中に流れ込んだもののように見える。
歌人に病人が多いのかあるいは病人に歌をよむ人が多いのかどうか、事実は分らないが、私のこれまで読んだ色々の歌人の歌によって想像される作者の健康は平均すると中以下になりそうな気がする。しかし宇都野さんの歌から見た作者は、どうしても健康な身体と神経をもっている人としか思われない。そう思わせるあるものがこの作者の歌の何処かにある。
歌から見た宇都野さんはどう見ても世を捨てた歌よみ専門の歌人でなくて、この実社会に立ち働いて戦っている人のように見える。そして負けじ魂と強い腕の力で波風をしのいでいる人のように見える。強い人にも嘆き悲しみ悶えはある。しかしそれは弱いもののそれとは何処かちがった響がある。
宇都野さんの歌の音調にはやはり自ずからな特徴がある。それは如何なる点に存するか明白に自覚し得ないが、やはり子音母音の反復律動に一種の独自の方式があるためと思われる。ともかくもその効果はこの作者の歌に特殊の重味をつける。どうかするとあまりに重く堅過ぎるように私には思われる事もあるが、考えてみると、それを取り去ってはやはり作者の影が稀薄になるかと思う。