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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
07 飛騨・高山の抹殺――中部の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,650 字 · 54 页
この広瀬というのは、恐らくヒダの古代における最も重大な名の一ツのようです。その附近は大きな古墳がタクサンあります。そして広瀬神社というのがある。また今の荒城の神というのが、当時の広瀬の神かも知れないということでもあります。
ところがヒダの地を平定した天皇は、天武四年に、風の神を龍田の立野に祭らせ、大忌神を広瀬の河曲に祭らしめたということが書紀に現れております。その祭った場所は大和国三郷村立野の龍田神社と大和国河合村の広瀬神社でありますが、決してヒダの地で祭ったのではありません。大和の国へ祭った。そして天武天皇史を見るとビックリなさると思いますが、一年間に何回となく勅使をだして、この風の神と大忌神を祭っておって、実際キチガイじみているくらいこの二神にこだわっておるのです。天武天皇がこんなに熱心にこだわってる神様はもちろん外にはありません。
この二神がヒダの神様なのはハッキリしているようです。広瀬というのは、ヒダの国の首府の名だ。よその国の首府は政府の知事たる国造が居る、ところが、ヒダの国造が居たのは今の高山の七日町で、広瀬の方ほそれとは別なミヤコなのである。