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あんごしたん
安吾史譚
01 天草四郎
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,351 字 · 23 页
島原の農民一揆はそもそもから鉄砲を活用しているから、農民の実生活で会得した鳥銃の手練が自然に徳川三百年の愚蒙を制して落城をおくらせただけのことで、軍師の手腕ではなかったように私は思う。
そして竹槍戦法に変り全滅抗戦へと急ぐ頭の悪いところには、黒幕たる浪人たちの思想が認められる。そして、一致して全滅をはかる策として、天人の装束をまとい薄化粧までしてミサを司祭し、熱狂的に説教にうちこんでいる知識犬の美少年を考える。そこに考えられる少年は決して聡明な少年ではない。少年になければならぬ純潔なもの、正義を愛し、そのために己れを軽んじて人にささげるようなマゴコロは見られない。妙に大人じみて、ただ身振りと口振りのみに巧者な知識犬以上のものは決して考えられないのである。
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はたして誰が策師であったか。講釈本にはいろいろ黒幕浪人の名があげられ、それらのいくつかは史料にも符合するものである。講釈本には現れないが、寿庵(ジュアン)という切支丹の世話役が廻状をもって村々を廻っている。また、講釈本にも史料にも現れてくる休意という浪人のお医者は、黒幕中でも参謀長格の大物であるが、彼はどうやら五島へ脱出土着したようである。