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たからづかおいたちのき
宝塚漫筆
小林 一三
小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页
そうして、まだ結婚しないのに、許婚者のお母さんのところへ行っていて、そこで空襲を受けて亡くなった。
それから萬代峯子とか、先だって死んだ園井恵子なども感心した生徒だ。園井恵子は北海道から出て来て、女給になろうか、歌劇に入ろうかと思い悩んだ。当時、南部という舎監がいて、それに相談した。
『自分は親兄弟を養わなければならないが、歌劇に入ったら幾らもらえますか。』
と聞いていろいろ相談した末に、
『宝塚へ入った方がいいでしょう。』
ということだったので、こちらに決めたらしい。これも実にまじめな娘で、親兄弟を北海道から呼んで、家を持たして働いていたが、かわいそうに広島の空襲で亡くなった。
また、大江美智子一座というのを知っているでしょう。大江美智子は大阪北の新地の舞妓に出ようというので、私らが行くあるお茶屋へ、芸妓の見習として出て来た。私らは、
『こりゃベッピンだ』とにらんで、いろいろ聞いてみると、『芝居が一番好きだ』と言う。
『芝居が好きなのに舞妓になったってしようがないよ。ひとつ宝塚へ入ったらどうか。』
と勧誘した。
そのうちに舞妓の方はやめて、宝塚の試験を受けに来た。