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たからづかおいたちのき

宝塚漫筆

小林 一三

小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页

青空文庫

蛮勇も亦徒労にあらざるを知る。すなわち彼に勧むるに、米人監督招聘の必要を強調し、撮影所を持たざる日活のゆく途は、大映との合同にあり、同時に東宝松竹三社鼎立の競技によって、老朽を打倒してゆく勇ましい映画界の前途を祝福した。

彼は婦人のごとき温柔の面貌に、いささか紅潮をたたえて、底知れぬ図太き胆大心小の立居振舞い、唯々として『御高論御尤なり』と言う。喰えぬ男と知りながら、その愛嬌の無意味にあらざるを喜ぶのである。

久方ぶりの東上に、不平もあり、癪に障ることもあれど、若い人達に会うことの楽しみは老いゆく心淋しさに、一服の清涼剤を与えられたるごとくに嬉しいのである。

マンションクラブの一夜は、お隣から急雨のごとく響ききたる変電所の騒音に明けて、八時半の急行列車に乗る。有楽町駅から車窓に立って、「アーニイ・パイル」の屋上に挙手の黙礼をささげて大阪に帰るのである。(二一・九・三)