轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じっけんしつのきおく
実験室の記憶
中谷 宇吉郎
「図解科学」朝日新聞社、1942(昭和17)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,440 字 · 13 页
もちろん、先輩が同じような仕事をしているので、新顔に灸所灸所は教えてくれるのであるが、そのせいばかりとは思われない。それだけのことならば、時おり実験室を訪ねて来る参観者は誰もきいて帰ることである。
話をきいて頭で理解したことと、その中へはいって身体で憶えたこととの間には大変なちがいがある。この頃、行としての科学などという言葉で表現されているものの中には、このこともはいっているのであろう。実験室の中へはいり込んで、働くことによって、身体で憶えこまなければわからないような種類の知識は、実験室内の人と物、すなわち実験室がもっているのである。そういう種類の知識は、実験室が活きて動いていれば、いつの間にかその実験室に蓄積されてくる。そしてそれが実験室の記憶となるのである。
キングスカレッジの地下室には、高真空の技術と同時に、10-12アンペア程度の極微電流を測定する力も養われていた。目的とする特殊X線の強さは光電子の電流で測定するので、象限電位計を使うのである。象限電位計で仕事をした経験のある人ならば、10-6ミリの高真空と象限電位計との取合わせは、随分いやな取合わせだと思われるであろう。