轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よい(ひとまく)

宵(一幕)

宮本 百合子

「女性日本人」1921(大正10)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,834 字 · 18 页

青空文庫

良 三 (廊下へ踏み出しながら)まあともかく聞いて見よう。(去る)

やす子 (身も世もあられない様子で、泣きじゃくるつや子の顔を見つめる。涙がひとりでに頬を落ちる。強いてはっきりした声で、その方は向かずに)たみ、ぱいぱいさんを持って来て御覧。

た み はい。空(から)ぱいでよろしゅうございますか?

やす子 ああ。早く。

たみ、急いで茶箪笥のガラス器の中からゴムの乳首を出して来る。

やす子、片手でこれをつや子にあてがったまま耳を澄ます、ベルの音。話声がはっきり聞えて来る。

良三の声 あ、番町の三千九百五十六番……ああ、もしもし横田さんですか? 先生は御在宅ですか? そう、僕は中西ですが、一寸電話口まで出て頂けるでしょうか……ええ、――どうぞ。

やす子 (僅にほっとしたらしく囁く)いらっしゃるらしいね。

た み さようでございますね。(共にきき耳を立てる)

良三の声 やあ横田君か? せっかくお休の処を偉い邪魔をしたね。――いや、どう致して。……そうだろうとも。

実はね、突然だが、うちの赤坊が、先刻から妙に泣き立てると思ったら、どうかして耳に少々出血しているのさ。何?――ああ、見たがね、駄目だよ、別に脈搏に異状もないから大したことじゃあなかろうと思うんだが、何しろ、当人より阿母さんの心配の方が激しい有様だから気の毒でも、一つ来て