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しゅくだい

宿題

小川 未明

「小学四年生」1938(昭和13)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,775 字 · 4 页

青空文庫

「おまえには、新しい問題をやらない。」と、いって宿題の刷ってある紙をお渡しになりませんでした。そのうちに、暑中休暇となりました。ある暑い日の午後のこと、賢吉の父親は、外から汗をふきながらもどりました。

「いま、彼方の田圃道を歩いてくると、ひきがえるが、かまきりをのもうとしていた。」と、話されました。

「それから、どうした?」と、賢吉は、目をまるくして、ききました。

「かまきりも大きいから、かまを振り上げて、横目で、じっとひきがえるを見ていたぞ。」と、お父さんは、答えました。

「お父さんは、なんで助けてやらなかったの。」

「かまきりだって、小さな虫を食べて、生きているのだもの。」

「だって、かわいそうじゃないか。」と、賢吉は、お父さんに、怒りました。そして、その場所をきくと、すぐ自転車に飛び乗って走りました。

雲のない空に、日が輝いて、草の葉先がちかちかと光っています。彼は、すぐ川のところへ出ました。お父さんから聞いた場所を、よく探しても、かまきりもいなければ、ひきがえるも見つかりませんでした。

「どうしたのだろうな、もう食べて、どこかへいってしまったのだろうか。