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よせとしばいと

寄席と芝居と

岡本 綺堂

在线阅读岡本 綺堂《寄席と芝居と(よせとしばいと)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,084 字 · 52 页

青空文庫

寄席の種類は色物席と講談席の二種に分かれていた。色物とは落語、人情話、手品、仮声、物真似、写し絵、音曲のたぐいをあわせたもので、それを普通に「寄席」というのである。一方の講談席は文字通りの講談専門で、江戸時代から明治の初期までは講釈場と呼ばれていたのである。寄席は原則として夜席、すなわち午後六時頃から開演するのを例としていたが、下町には正午から開演するものもあった。これを昼席と称して、昼夜二回興行である。但し昼夜の出演者は同一でないのが普通であった。講談席は大抵二回興行と決まっていた。

寄席の木戸銭は普通三銭五厘、廉いのは三銭乃至二銭五厘、円朝の出演する席だけが四銭の木戸銭を取ると云われていたが、日清戦争頃から次第に騰貴して、一般に四銭となり、五銭となり、以後十年間に八銭又は十銭までに騰った。ほかに座蒲団の代が五厘、烟草盆が五厘、これもだんだんに騰貴して、一銭となり、二銭となったので、日露戦争頃に於ける一夕の寄席の入費は木戸銭と蒲団と烟草盆あわせて、一人十四、五銭となった。中入りには番茶と菓子と鮨を売りに来る。茶は土瓶一個が一銭、菓子は駄菓子や塩煎餅のたぐいで一個五厘、鮨は細長い箱に入れて六個三銭であったが、鮨を売ることは早く廃れた。