轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かんぶな

寒鮒

佐藤 垢石

「釣りの本」改造社、1938(昭和13)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,334 字 · 3 页

青空文庫

静寂といおうか、閑雅といおうか、釣りの醍醐味をしみじみと堪能するには、寒鮒釣りを措いて他に釣趣を求め得られないであろう。

冬の陽ざしが、鈍い光を流れにともない、ゆるい川面へ斜めに落として、やがて暮れていく、水際の枯れ葦の出鼻に小舟をとどめて寒鮒を待つ風景は、眼に描いただけで心に通ずるものがある。舟板に二、三枚重ねて敷いた座蒲團の上に胡座して傍らの七輪に沸ぎる鉄瓶の松籟を聞くともなしに耳にしながら、艫(とも・へさき)にならんだ竿先に見入る雅境は昔から江戸ッ子が愛好してきた。

鮒は、秋の半ば過ぎると、水田や細流から大きな流れへ落ちていく途中、充分に餌を採って、やがて暮れ近くなると静かな流れの深いところへ巣籠ってしまう。これを狙って釣るのが寒鮒釣りである。

寒鮒釣りは、岡釣りでもやれるが、舟釣りの方が楽しみが深い。浮木釣りと脈釣りと二種あって、全く流れのないところでは浮木を用い、緩やかな流れのあるところでは浮木をつけないで穂先の当たりによって鮒が餌に絡まったのを知るのである。

竿は極めてやわらかいものに妙味がある。八尺、一丈、二丈など、長い竿、短い竿、三、四本を用意して浮木釣りの場合は艫から扇形にならべ、そのかなめに当たるところに釣り人が座して、浮木の動きを凝視するのである。