轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうらいのにほん

将来の日本

徳富 蘇峰

04 将来の日本

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,399 字 · 240 页

青空文庫

けだし貿易の主義と戦争の主義とは氷炭相容れざるものにして、戦争の主義は己れを利して他を損し彼我の利害決して両立せざるにあるも、貿易の主義はまったくこれに反し、己れを利しあわせて他を利し、彼我の利益ぜひとも両立せざるべからざるにあるの一大真理を欧州諸国に向かって説法したるものは、実にアダム・スミスその人をもって破天荒といわざるべからず。もちろんイタリア、フランス、スコットランド等に数多の学士出でて氏と前後にこの説を唱えたるものあれども、いまだ氏が声のごとく大にして遠きものはあらず。実に一七七六年において初めて世界に出でたる氏が一篇の『富国論』は貿易世界の福音書といわざるべからず。氏曰く、

各国人民みなそれともに貿易をなす。他国人民の繁栄なるをば猜疑の眼をもってこれを観、しかして他の利益をもってただちに我の損害となすがごとし。それ商業なるものはなお一個人の間におけるがごとく、邦国の間にもおのずから自他の友愛和睦の関紐となるべきはずなるに、かえって乖離敵対のもっともはなはだしき原因となれり。古往今来、帝王宰相の飽くを知らざる功名心も、いまだ商業家・製造者の険悪なる猜疑心のごとく欧州の平安を害したるものあらざるなりと。