轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうぐん

将軍

芥川 竜之介

明治37年黎明,一队士兵带着白襷奔赴死亡战场,路上有人抱怨荣誉换不来酒钱。想要活命的士兵与悲壮的命运冲突,你会怎么选?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,852 字 · 31 页

青空文庫

「おい歩兵!」

旅団参謀は鼻声に、この支那人を捉えて来た、戸口にいる歩哨を喚びかけた。歩兵、――それは白襷隊に加わっていた、田口一等卒にほかならなかった。――彼は戸の卍字格子を後に、芸者の写真へ目をやっていたが、参謀の声に驚かされると、思い切り大きい答をした。

「はい。」

「お前だな、こいつらを掴まえたのは? 掴まえた時どんなだったか?」

人の好い田口一等卒は、朗読的にしゃべり出した。

「私が歩哨に立っていたのは、この村の土塀の北端、奉天に通ずる街道であります。その支那人は二人とも、奉天の方向から歩いて来ました。すると木の上の中隊長が、――」

「何、木の上の中隊長?」

参謀はちょいと目蓋を挙げた。

「はい。中隊長は展望のため、木の上に登っていられたのであります。――その中隊長が木の上から、掴まえろと私に命令されました。」

「ところが私が捉えようとすると、そちらの男が、――はい。その髯のない男であります。その男が急に逃げようとしました。……」

「それだけか?」

「はい。それだけであります。」

「よし。」

旅団参謀は血肥りの顔に、多少の失望を浮べたまま、通訳に質問の意を伝えた。